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シャドウ・イン・クラウドのfyodorのネタバレレビュー・内容・結末

シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

現代の問題を凝縮させた、女性が主役の映画。日本も世界も同じ問題を抱えている。

 2010年代は働く女性がテーマだったが、2020年代はそこから更に進歩して働き子供を持つ女性がテーマになる。

 主人公は婦人補助空軍のモード・ギャレット、時代背景は第2次世界大戦、イギリス領ニュージーランドが出発地。戦争中のイギリスは男が戦争に出征するため、女性が男の代役を務めた。軍隊内でも広報勤務は女性が担うことが多かった。パイロットでも女性パイロットが登場した。重いものを持つことがなければ当然だが女性も勤務可能だ。まして女性は根本的に男性より優秀だ。男は感情脳、女は理性脳と言われるように特に頭を使う仕事に適している。モードもパイロットであり、機関砲担当者でもある。

 モードは結婚していたが夫はDV夫で暴力を振るってきた。そのため基地内の兵士と愛し合うようになり子供ができた。DV夫と基地内兵士とどちらの子供かは不明だが、そんなことはどうでもよくて、この世に存在する価値の無いどうでもいい愚か者はそこを気にするが大した問題ではない。生みの親より育ての親の方が上位になるので、その子供を育てる母親たるモードの存在こそが最も重要だ。そのDV夫から逃げるためにニュージーランド発の爆撃機に書類を偽造して、子供を鞄に入れてそのかばんを機密書類として逃げ込んできた。悪いのはDV夫でモードは悪くないので問題ない。

 最初は女性ということで侮蔑されて場所がない、ということで座席ではなく機銃の座席に閉じ込められる。そこで怪物を目撃し、日本のゼロ戦を発見してゼロ戦を機銃で撃墜する。そこで乗組員に認められるが、怪物が襲ってきて子供が入った鞄を盗んで逃げていく。
 この怪物はDV夫のメタファーだ。日本にも共同親権をがなり立てるDV夫が多い。DV夫の暴力に耐えかねて子供と共に逃げると「連れ去りだー!」と絶叫して必死で母子を追いかけてストーカーをする。死すべき異常者で豚並みの低能だがジェンダー指数125位の差別国家日本に限らず世界中にいる。従って怪物は醜い鼠のような姿(とモードは言っている)をしている。蝙蝠に似ているけどね。
 それに対してモードは絶対的決意で怪物に立ち向かう。「限界はない」とモードが決意を発言するように、女性の精神と能力に限界はない。男はすぐ限界が来るが。そして徹底的に子供を助け怪物に対抗していく。同時に日本のゼロ戦も襲ってくるが、乗組員がそれにやられ機長もやられて死ぬと、パイロット経験のあるモードが機長を代行して男の機長以上の高度な能力を発揮して墜落する爆撃機を不時着させる。

 無事に不時着すると助かった恋人(爆撃機の乗組員にいて、この人と逃避行を共謀した)がモードにプロポーズするが、まだ生きていた怪物=DV夫のメタファーが恋人を殴って子供が入った鞄を奪ってどこかに行こうとする。それをモードが追いかけて取り返す。
 一旦子供を取り返して恋人に預けた後、意を決して怪物=DV夫と対決する。怪物=DV夫を殴って殴って殴りまくって遂に怪物=DV夫を殺す。その後子供に母乳を吸わせる。強い女性を体現している。

 腐った死すべきDV夫を徹底的に反撃して痛めつけてぶっ殺し、仕事と子育てと両立する。2020年代の女性映画にふさわしい映画だ。
 ただ、そのためにrottentomatoの視聴者評価は低い。女性優位の映画はマーベル映画のキャプテン・マーベル同様女性差別主義者の不当で愚かな攻撃で評価が低くなる。だから女性映画は評論家評価だけで判断すべきだ。差別主義者はこの世から消えろ。
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