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007/ゴールデンアイのfyodorのネタバレレビュー・内容・結末

007/ゴールデンアイ(1995年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

 90年代のリベラルな雰囲気を表していて、非常に良い映画だった。Mが女性でしかも「数字の魔女」と呼ばれている。勘や感覚ではなくデータで考える、という意味で従来の「女性は感情的、男は理性的」という差別主義と正反対の事実に基づいた描写をしている。
 また、ボンドガールも、今回は巻き込まれ型だが、プログラマーで深い専門知識がある女性だ。気絶しているボンドに「こらー!起きろ!」と怒鳴りつけたり、自らの専門技術を駆使して敵のコンピューターを分析して敵の目的地を突き止めたり、敵のコンピューターに細工して自爆するようにしたり、更にボンドに命令したりとボンドの上を行く女性として表されている。ボンドがいつまでたっても「女性は男の性欲を満たすための道具に過ぎない」と考えているのに、女性はそれよりはるかに先に進んでいる。
 それまでの007は女性もスパイで特殊訓練を受けていて、やっと人間扱いされる映画であることに比べれば非常に女性の尊厳を尊重したあるべき映画になっている。

 惜しむらくはボンドガールのイザベラ・スコルプコ演じるナターリア・フョードロヴナ・シミョノヴァだが、2級プログラマーとの役職であるが一流ハッカーのボリス・グリシェンコを凌駕するシステム技術を駆使していた。これが「ロシアの女性差別主義により本来は特A級プログラマーまたはトップクラスのシステムエンジニアなのに2級プログラマー扱いされている。」という設定を明確に出せばもっとよかったのだが。
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