ひな菊

大綱引の恋のひな菊のレビュー・感想・評価

大綱引の恋(2020年製作の映画)
3.9
舞台となる地に縁があり、何度も見たことのある大綱引き。
まさかこの祭りが映画になる日が来るとは!

知ってる場所ばかりで、冒頭から胸がいっぱい。石走ラーメン食べたい。寺山行きたい。甑島の風景や川内川の霧にも心が洗われる。

三浦貴大さんの素朴さと知英さんのまぶしさ。
比嘉愛未さんも妹役がナチュラルでよかった。松本若菜さんもきりっとして素敵だった。お母さん役の石野真子さんかっこよかった。
女性がキラキラしていました。

古くからのしきたりや男社会的なものを扱いながら、時代が変わっていくことをさりげなく示しつつ、人の気持ちは丁寧に描かれていて、じんわりくる映画でした。

こんなベタな…と思うほど王道の展開なのに、ドキュメンタリーと見紛うような綱引きの描写と、人と人のまっすぐな向き合いに気持ちが込み上げて、最後は勝手に涙がにじんでしまう。

現実の人間関係こそ、とことんベタなものなのかもしれない。

400年以上の歴史がある、3000人が参加する綱引き。綱は365mの長さで、当日の朝から市民が「綱練り」といって練り上げる。あいさつ回りで自陣の引き手を集める変わった綱引きで面白い。
綱引きなのに押し隊がいて激しくぶつかり合って、昔、知人から肋骨にヒビが入ったことがあると聞いたほど。

コロナで今年も中止が決まってしまったようだけど、来年は開催されますように!
ひな菊

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