バナバナ

パリの調香師 しあわせの香りを探してのバナバナのレビュー・感想・評価

3.5
アンヌは元一流ブランドの香水を手掛ける調香士だったが、仕事でミスを犯し、高級ブランドの世界からは離れている。
一時雇用で彼女の専属ドライバーになったギョームは、妻と離婚したばかり。子どもの養育権を獲得するために、定職に就いて家を確保しようとしているところ。

パリ市内の、特に高級アパルトメントに住んでる女性って、高ピーな人が多いイメージだけど、アンヌの場合は自分のエージェントが家に来た時に
「くだらない仕事ばかり持ってこないで」とか、
運転手の子供の頃の思い出の匂いを「殺し合いの匂いね」など一刀両断で言ってしまうところを見ると、彼女はアスペルガーが強いのかな。
「私は何年も付き合ってるのにエージェントと打ち解けられない」って、そういうところだよ!と突っ込んでしまったわw。

アンヌが4年前に鼻が効かなくなったのも、調香士なのに人前に出なければいけなくなったプレッシャーが原因だった様だ。
アスペルガーで見知らぬ大勢の人といきなり関わらなければいけなくなったら、そりゃあ負担だったろう。
エージェントの誕生日パーティも、今は落ち目だから出たくなかったんだろうな。でも、あくまでエージェントだから、今のアンヌに出来る仕事しか持ってこれないのも仕方がないと思ったけど。

アンヌの調香士としての表現を見ていると、昔ワインソムリエの田崎信也さんが、「濡れた犬の毛の様な香り」と高級ワインの香りを評しているのをテレビで見て、
それって本当に美味しいワインなんですか!?
と思ったことを思い出したわw。

お互い前に進みたかったアンヌとギョーム。
ギョームは人が良いし、仕事も素人だから、業界の常識を知らないので反って正面突破してくれそう。
きっとマネージメントだけでなく、アンヌの友人としても彼女を上手く支えていけそうですね。
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