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パリの調香師 しあわせの香りを探してのsatchanのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

クビになった調香師と運転手が、心を通合わせていく映画、ハリウッド映画のような派手さは全くないけれども、人と人との心の通い合いが美しく、飽きることなく見てしまいました。

調香師の仕事ってどんなことするんだろう?デパートの売り場で頂く香り付きのペーパースティックを持って、様々な香りを確かめながら、ブレンドするのかな?そんな素朴な疑問に答えてくれたのも、この映画です。洞窟レプリカのために、ラスコーの洞窟へ調査へ行き、香りを作ると知った時は驚きました。色々な仕事があるもんだな〜と思います。

運転手は、自分に仕事がないと共同親権を得られないということを調香師に正直に話します。すると、ぶっきらぼうで、感情の変化をあまり見せない調香師も、なぜ自分はクビになったかを運転手に話します。自分の本心を打ち明けるって、なかなかできないことですが、それができた時の喜びが分かるからこそ、そういうシーンが好きです。

運転手が父親の草刈りの話をするシーンがあります。私も草刈りの後の匂いが好きだったので、良い話だなと思って見ていたのですが、調香師が「刈り取られた草は虫に食べ尽くされる。その虫を襲う虫を誘うために草が酵素を出す。だから草刈りの匂いは、殺し合いの匂いだ」と説明しまして。その知識の正確さに感動すると同時に、せっかくの良いお話を台無しにする知性に失望もしました。実際に知識の多い人の話ってこういう結末を変えることが多いんですよね…。

でも、そんな二人の凸凹コンビが良かったです。
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