予告から独特な雰囲気の映画かと思っていましたが、まさかのほっこり感動飯テロ映画でした。
主演は松山ケンイチさん演じる山田という男で、前科があり生活も苦しく、辿り着いたのがハイツムコリッタ。そこには変わった隣人のムロツヨシ演じる島田だったり、満島ひかり演じる大家の南だったり、優しく温かい人たちに触れることで山田も少しずつ心を開いていくというストーリー。
本作の良さは何より作品の雰囲気にあると思います。前科持ちという前置きはしましたが、基本的にそこに触れることは終盤までほとんどなく、説教くささがないんですよね。
ただ一人の人間として、生きていくうえで何かしら心に何かを抱えていて、そこに対して負い目を感じていて。
そんな中で隣人島田によって気づかされる当たり前の小さな幸せ。炊き立てのご飯を誰かと食べる美味しさ。疲れた後のお風呂の気持ちよさ。くだらない談笑をする相手がいること。
そういう一つ一つの小さな幸せに、心の底で抱えていた悩みがほぐされていく。
感情を吐露する山田のシーンはやはり名シーンですが、そのほかにも印象的なシーンがたくさんあって、少しメルヘンでほんわかしてるけど、ジーンと心に響く作品でした。
