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林檎とポラロイドのkapoのレビュー・感想・評価

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)
3.9
まるでポラロイドの中に入り込んで
イスに座って、
そこからある男性の生活を覗いている様な、
ポラロイド画角で進む、
悲劇のようで喜劇な
オリジナル性がとても高い映画だった。
長丁場な映画が多い中、
ミニマルコンパクトなのがすごい良い◎

しかもアート性の高いコントみたいだったし、
林檎って人類に於いて最大の
ファンタジーフルーツよな!
って感動しちゃった。

アダムとイブ、白雪姫、アップル社
とか、
どれも林檎がキーアイコンで、
そのどれにもどこか繋がる要素を感じた。

一切スマホが出てこない非デジタルなとこ、
に対してアナログなポラロイドで
一瞬一瞬の生の切り取りを記録しながら、
林檎をかじりながの人生回収劇
な設定等などがすごい面白い◎

記憶の不確実さと曖昧さ、
体感や身体に宿る記憶の確実さ、
悲しみに正面から対峙した時に
再び動き出すあの感じ。

なんか主人公がずっと絶対元々いい男やん
感あったのは、なんやろう。
高倉健なみに言葉少なで、
愛の誠実性もずっと見えてたからかな。
ショックな事ほど記憶が抜けるの分かる。。

これ、見終わってじわじわ来るから、
見れば見るほど味が出る映画な気がする。
デビュー作でこれってすごない。
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