manaminie

林檎とポラロイドのmanaminieのレビュー・感想・評価

林檎とポラロイド(2020年製作の映画)
4.0
認知症に迫った映画や、記憶喪失をテーマにした作品はいろいろあるけど、これまでとはまた別の切り口で「記憶とは何か」を提示しているように思えた。
一見、淡々とした日常を映し出した画面が奇妙に思えてくるのが面白い。

主人公の、あまり表情を動かさず、行動で感情を示すタイプの演技が、丁寧に構築された作品世界にマッチしていた。

前半はタイトル通り本当に林檎をずっと食べてる。
各種の行動に失敗するユーモラスなシーンと、公園で犬を撫でるところ、途中でオレンジを食べるところ、お菓子を作るところなど、切ないシーンが織り交ぜられる。
最後にまた林檎をかじりながら、一瞬カメラ目線になったように見えてぎょっとした。
manaminie

manaminie