わっしょい

冷たい嘘のわっしょいのネタバレレビュー・内容・結末

冷たい嘘(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

献身と絶望。

これほどまでに絶望を感じる映画は久々かもしれない。

人を殺してしまった娘の為、両親は人の道を外れてでも庇おうとする。
両親の娘への献身が凄かった。
心身を文字通り娘に捧げ、参っていく両親を観るのが辛く、居た堪れない。
娘の為、最後には人を殺してしまうところまでいくのは、かなり辛かった。
殺す相手が何も悪くないというのを理解した上で殺してしまう恐ろしさ。
娘の為でなければ犯罪などしなかったであろう2人は、恐らく人並みの良心はあると思う。
良心の呵責に苛まれ、放心状態となった2人の姿には、ある意味で心打たれるものがあった。
そこまで娘に全てを捧げられるものかと。

一方で、娘は本当にどうしようもない。
人を殺したはずなのにあっけらかんとし過ぎている。
まるで何の反省もない。
このどうしようもない娘の為に、両親が尽くすという構図が、絶望感をより大きなものにしてくる。
そして反省のない理由が明らかになった時、その絶望が最大限まで膨れ上がる。
呆然と立ち尽くす両親の姿が、観ていて苦しかった。

アップダウンもあまりなく、ラスト10分くらいが全ての映画ではあった。
けれども、こういうジャンルに明るくない自分にとっては、それなりに楽しめる作品だった。

胸糞映画というものをあまり観てこなかったけれど、そのジャンルに興味を持つきっかけになった。
こういったジャンルの作品ももっと観てみたい。
ただし、精神が安定している時に限る。
わっしょい

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