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続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画の一のレビュー・感想・評価

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共和党の集会に潜入してトランプのマスク被ってペンス副大統領が演説しているところに突撃していくのも相当だと思うが、現大統領個人弁護士のジジイにエロドッキリ仕掛けてそのまま流すってのは凄すぎる。当然今かなり燃えている。そういう過激なやり口でなくとも、ロックダウンの最中に優しい白人男2人(トランプ支持・反民主党・QAnon)がボラットを家に泊めて数日過ごすシーンはトランピストの生態報告として興味深いし(「コロナと民主党どっちが危険?」「民主党」!)、ボラットの娘が「フェイスブックで真実を知った!」ってホロコースト否定論に辿り着き、反ユダヤのボラットが「ホロコーストはでっちあげだったのか…」と落ち込むシーンとかすごい笑った。あと、どう説明すればいいかわからないアホな理由でボラット親子が危機妊娠センターに行って中絶反対派の牧師と話す場面も最高。で、オチのコロナ陰謀ネタに嬉々として登場するトム・ハンクスも流石です。でもそれよりずっと印象深いのは、ボラットの娘をパターナリズムから解放するベビーシッターの黒人女性や、ボラットを抱き締めるホロコースト生存者のおばあさんの存在で、それがまたラストの大変自嘲的な母国カザフスタンにおける"アメリカ人追い祭"にも繋がっていく。MAGAハットを被った白人男と"ALL LIVES MATTER"と書かれたTシャツを着て現れるKaren(人種差別的白人女性を表すミームらしい)がマスク無しで現れて医者を撃ち殺す悪趣味な着ぐるみ劇。もう今のアメリカはホントに茶化し甲斐があるんだなって思います。日本で許されてたのは安倍ちゃんのモノマネくらいですね。
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