JunichiOoya

ある職場/些細なこだわりのJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

ある職場/些細なこだわり(2020年製作の映画)
2.0
舩橋淳さんは、映像業界を取り巻く不条理、不平等改善に取り組む活動が素晴らしく、支持もするし一緒に声を上げていきたい方。

でも、映画については…。

今回は俳優たちに設定だけを与えて即興で会話を繋ぐ演出だったとのこと。舩橋さんが手がけてきたドキュメンタリー映画と繋がる形で、「演出じゃないもの」を切り取りたかったのかも。
私には、それが成功しているとは思えなかった。脚本、撮影、録音、そして編集まで全てを手掛けた舩橋さんは結局映画をまとめきれなかったんじゃないかしら。
せめて編集は他の方に任せてもよかったのかも。で、あと30分ぐらい削れたら、と思うのですが。

私には「実際に起きたセクシャルハラスメント事件をモチーフに」っていうのはどうでもいいんじゃないかと思えます。興行絡みの宣伝惹句じゃないのかしら。
実際に起きたかどうか、じゃなくて作品がどれだけ「実際」を映し取れるか、だと思うのですが、如何?

あと、あの職場の2回に渡る「小旅行」のことがやっぱり理解できなかった。セクシャルハラスメントという「できごと」を知り、関わった人たちが組織内の役職や部署を超えて、その組織の運営する保養施設に泊まり込む、剰えそれを「プライベート」と開き直ってベタベタする男女がいるとか。
いやあ、私はこんな組織の一員じゃなくてほんと良かったと心の底から思いましたわ。

なんか舩橋さんのイメージする「組織」とか「会社」、タイトルにもなった「職場」というものが、決定的に実態とズレてるんじゃないでしょうか。

「実際の」当事者の方はこの映画をどう感じられたのだろう?
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