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皮膚を売った男のPoMooNのレビュー・感想・評価

皮膚を売った男(2020年製作の映画)
3.9
前情報無く、題名に惹かれて視聴。
出だし題名が英語とアラビア語で書かれていて、あれ?っと思ったら、これは自分には、全く思いもよらないテーマでショッキングだった。そしてBGMと光の反射を使った映像が不思議な世界観を出している。チュニジアの女性監督作品というのも初めて。

恋人の告白に浮かれ「革命だ。自由だ」と口走った為に不当逮捕され、逃れてレバノンでシリア難民になるのが一つ目のポイント。

サムの望みはただ一つ。愛する恋人に再会し、一緒にいる事だけ。
そこで背中にタトゥーを彫り美術品として美術館に展示される仕事を請負うのが二つ目のポイント。
各国の国境を超えてあちこち行けるが、それは本当の自由なのか?五つ星ホテルで生活し、巨額のお金を得て仕事と割り切ることができるのか?サムの恋する気持ちも切ない。
生きている芸術作品は、動き、意見し、脅迫さえするし、吹き出物もできる。更に難民の救済団体の接触があったり、コレクターに買われたり、人身売買問題が常につきまとう。

ネタバレになるのでその先は記載しないが、芸術家ジェフリーがいい奴だったのがサムの幸運。
これは一種のラブストーリーなんじゃ無いかなぁ。シリア難民問題を深く掘り下げてはいないが、自分には後々まで記憶に残る作品になる気がする。
No.1172
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