テロメア

ディヴィジョンのテロメアのレビュー・感想・評価

ディヴィジョン(2020年製作の映画)
3.8
ブラジル映画を観ていると、ゴッサムって案外安全なのでは? とか思ってしまうくらい警察どころか政治家とか、腐敗しているとかそういう次元じゃないレベルなのが凄まじい。

ゴッサムはなんだかんだアメリカだよなぁ、とか、ブラジルでバットマンが誕生できないのは、富裕層がそもそも腐敗の温床だからだとか、もうなんていうか、想像を超えてくる治安だよなぁ、と。

なんせ、誘拐が『流行』するんだから。誘拐ビジネスだとか、そういう組織としての犯罪は、映画でよくよく見かけるが、これはそんな知能犯ではなく、本当に末端にまで広がった『流行』だったってんだから。そしてそれに警察の誘拐捜査課が関わることもあるとか。治安を守るってなんでしょうね、と。

昔、なんか流行ってるんか、と思った邦画での描写で、スラム街をよく描いていたのを見かけたときに、うっそくせ、と思っていた。多分、その頃には『シティ・オブ・ゴッド』を観ていたからかも。同様に、バットマンのゴッサムシティが犯罪都市だとかいう描写に、そこまで恐怖とか絶対に触れたくないとか、そういうのを感じなかったのも、同映画を観ていたからかな。

そう考えると、ハリウッドだからといっても、作っている人々の育った治安状況が反映されるよなぁ、とか思う。昔にスラム街を必要ないのに出す邦画がちらほらあったのって、ブラジル映画に影響されたんかねぇ、と今なら思う。ハリウッド映画もそういうのがあるしなぁ。でも、やっぱり本場の描写には敵わないと、つくづく思いました。今作それ自体の感想ではないけれど。

ブラジル映画は半端ないエネルギーの塊だから観ると体力の消耗が激しいなあ、といつも思う。
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