竜どん

バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティの竜どんのレビュー・感想・評価

3.5
作品の雰囲気自体は原作『BIOHAZARD』に忠実過ぎる程忠実でゲームに対する強い愛を感じる。変にスーパーマン化してしまったミラジョボアリ○無双版より本作の方が私は好み。
洋館や警察署・フロア設置の小道具の造形、進行に必要なギミック等がゲームにまんま準拠していて既プレイヤーはニヤリとする筈(ピアノ部屋の隠し扉解除はやり過ぎだと思うけどw)。暗闇でのゾンビ波状攻撃は緊迫感スピード感あり過ぎてゲームなら即死レベル。リッカーの凶悪さ、ゲーム内屈指の鬱キャラリサの活躍も見所だ。
ただゲーム各タイトルをない混ぜに構築したせいか物語はとっ散らかり気味。シリーズ化を目指すならもっと丁寧に進行させても良かったと思う。大盤振る舞いのキャラ総出演は今後の展開の幅を相当狭めちゃうんじゃないかね?
そして何よりも看過できないのはそのキャライメージの乖離。アメリカ人的なフランクさはいいとしても、どのキャラもクズ味が強過ぎて感情移入できない。ゲームでは比較的真面目キャラが多かった筈なのにどうしてこうなった?特にレオンとウェスカーのヘタレっぷりは目も覆わんばかり。俺のジルはあんな女じゃないやい。
ゲームの映像化は失敗作が多い中、その世界観はファンを興奮させる程の出来栄えに昇華させているのに、その中を動くキャラクターはファンを怒らせる程に別物にしてしまっているアンバランスな作品。
ゲームファンはプレイヤーに自己を投影するのでキャラ性は大事よ。次作はレオンを格好良く戦わせてくれーーい!
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