非常に味わい深く、じんわりとした作品。
人間模様が若干複雑かな…と思いきや、最終的にはスーッと落ちてくる。
それぞれの登場人物たちの心理的な奥行き(その複雑さ)がとても丁寧に描かれていることにも、とても好感が持てた。
三姉妹っていいなぁ、とも思ったり。
長女の不思議な魅力と抱えている哀しさ、次女が抱えていた葛藤、三女の健気さ、孫の存在が実は均衡を保ってくれているところ、愛人さんの人柄もとても素晴らしく。
また、父親のお土産を見たときに思わずもれてしまう反応もよかった。
少しずつ移り変わってゆく母親の気持ちの推移…、なんとなく勘づいて「ツァイさん…」と思わず呼びかけるシーン、お寺で横に並ぶシーン、そして最後に譲るところ…、脚本の素晴らしさよ。
日本語タイトルとはまるで異なる原題「孤味」って、どういう意味だろう?と思ったけど、そういうことかぁ、と。
いやぁ、同じ歌が三度うたわれ、そして三度目は…、というところ、最高だった。ここも、演出が実に上手くて、そう来たかぁ!と唸ってしまった。
(それにしても台湾のタクシーって、カラオケができるの?!カルチャーショック!笑)
台湾の空気が感じられるところ(台南と台北の違いも含め)、画の色合い、そして食べ物が美味しそうなところもポイント高し!