えむ

マーメイド・イン・パリのえむのレビュー・感想・評価

マーメイド・イン・パリ(2020年製作の映画)
3.9
【想像力は世界を変える】

とても雰囲気のある大人のファンタジックストーリー。
怪我をしてセーヌのほとりに倒れていた人魚と、それを見つけて助けた男の恋物語です。

クレイアニメっぽいイントロから、実写のオープニングへと誘う導入で、ファンタジーとしての世界観にすんなり入れます。

このストーリーの人魚は、リトルマーメイド的なやつというより、歌声で人を惑わすセイレーンで、原題はマーメイド・イン・パリでなくセイレーン・イン・パリ。(厳密にはマーメイドとセイレーンは別物だし、別に変える必要ないのに…)

セイレーンらしく、オープニングからその歌声に惑わされ、川に引き込まれて死ぬ人とか、歌声を聴いて死んでしまう人とかたくさん出てくるけど、主人公のガスパールにだけはそれが効きません。

主人公のガスパールって万年少年みたいな人で(日本なら所ジョージとか木梨憲武的な?)、家の中はオモチャてんこ盛り、そこに人魚が転がってっても普通に受け入れていて、その存在をひとつも疑問に思わないような人だから、セイレーンの歌声すらスルッと自分の内側に受け入れて『当たり前』にしちゃうのかな〜。
人魚のいる世界を普通に想像できて、それが当たり前のものなら、害にもならないっていうのかしら。

ガスパールと言う人の部屋とか行動とかを頭の方で観ていたら、『あーそりゃ効かないかもなー』とフツーに思ってしまう自分もなかなかのものかもしれないけど。笑

人魚にあげるご飯は魚でいいの?とか、尾びれの傷にガーゼと絆創膏とか、ツッコミどころは多々あれど、この世界観なら楽しいし、映画のパペットアニメにノリノリな人魚とかちょっと可愛い。
お隣さんもキャラ強めだけととっても魅力的です。
主演の俳優さんたちもチャーミングで、人魚ルラ役の女優さん、めっちゃ可愛いよー!!

アメリもそうだけど、この手のファンタジックさが似合うのって、やはりパリという街ならではですね。

フランス映画でなければ、なかなかこの小粋な匂いは出ないなーと思いますし、とても魅力的です。
とにかく観ながら終始可愛い可愛いってキュンキュンしました!
えむ

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