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マッドマックス:フュリオサのolnのレビュー・感想・評価

3.5
【生きる以外の選択肢はない】
ジャンル:マッドマックス

マッドマックスシリーズを観る度に思うのです。よくこんな環境で生きていけるなと。とはいえ、人間は環境に適合して生きる動物です。きっと私たちだって数百年後の未来人から見たら、よくそんな衛生環境で生きていたなと思われるのでしょう。これ以上の世界を知らないということは、この世界で生きることが当たり前だということなのです。

しかし、フュリオサは楽園を知っています。最底辺までは落ちずとも、生まれ故郷とは比にならない劣悪な環境に晒され、それでも彼女は生きる選択をします。ひとつの約束を果たすために。
人は生きていくために、何かを信じることが必要なのかもしれません。それが大切な人との約束かもしれない、自分で決めた信念かもしれない、生まれ落ちた環境によっては信仰の対象がディメンタスやイモータン・ジョーかもしれない、信じるものはそれぞれに存在するのです。

そんな生きることに欠かせない要素の1つに”食”がありますが、最底辺と思われる穴蔵の住人たちは、どうやって食い繋いでいるのか甚だ疑問に思っていました。この件について一つの回答を得、生き抜く知恵を授かりました。そう、ウジ虫は無限のタンパク源なのです。人は集団を形成します。そして人はいずれ死にます。死体を苗床にして蝿を飼えば、苗床が在り続ける限りウジが湧きます。それを食べることで、共喰いによる精神異常を来さずに、安全に食い繋ぐことが、、、うわぁ、絶対に嫌だ。書きながら嫌な気分になりました。極限状態までいけば、そんな選択肢もあるのかもしれませんね。
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