おなべ

ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-のおなべのレビュー・感想・評価

3.8
◉家族──。友達でも恋人でも無い特別な関係。縁を切るのは簡単で、一度切れた縁は簡単には修復出来ないけれど、それでもどこかで不思議な縁で繋がっている。

◉模範的な正解が無い問題の答えを見つける為に選択しては失敗し、別の選択を選んでは失敗しての繰り返し。何度も何度も何度も何度も、この下に傾いた人生を好転させようとしても、大切な人が重荷になってうまくいかない事がある。この“大切な人”とは厄介で、例え散々酷い目に遭わされ、見捨てる事はできるとしても、何故か見捨てられないもの。苦しくて辛いけど、切り離せない。その感情の正体こそが“絆”や“愛情”というものであり、本作で言う“家族”であると思う。

















【以下ネタバレ含む】














◉JDの通った道は想像以上に過酷で困難であり、一歩道を踏み外していれば悪い方向へ進んでいた可能性が大いにある。それをさせなかったのが家族であり、母親であり、祖母でもある。取り分け、JDを正しい道へと導いた祖母の愛情は感動以外の何ものでも無く、かなり胸に来るものがあった。

◉《エイミー・アダムス》、《グレン・クローズ》の怪演よ。特に《グレン・クローズ》に関してはアカデミー賞助演女優賞にノミネートし、惜しくも受賞は逃したものの、個人的にはかなり高評価。

◉代数のテストでクラスで一番になった際の祖母の表情が忘れられない…。
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