1995年 アメリカ 監督デビィッド・フィンチャー
キャスト:ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン、グウィネス・バウトロー
今更、ブラッド・ピットの魅力も、モーガン・フリーマンの味わいも言う必要はない。
すごい映画だ。
この後、上っ面を真似た作品を何本も観ているので、その当時、この映画がいかに衝撃を与えたかがよくわかる。一つの類型になってる。しかしまだ、この映画を超える刑事物のサスペンスには出会っていない。
殺人にキリスト教が絡むと頭が中世の暗黒時代の印象に支配されて、独特の闇の中にいる感じがする。それに降り続く大量の雨と音楽ではない悲鳴のような音のBGMがずっと続いて異様な雰囲気を醸し出す。この効果も真似た映画は多い気がする。
しかし、私は思う。この映画、ここまでやったら反則じゃないかと。それは確かに観終わった後、重く暗い気持ちが強く心に残りはする。でもあまりに残酷すぎる。
これからの彼の人生はどうなる？のだろう。
最初の殺人現場もその後繰り返される殺人とその現場も、ずっと続く雨も、結末を盛り上げるための序章でしかない。
実は、途中で何度か頭をよぎった。この話まさかと思うけど、そこまでやらないよなと。しかしそこに行き着かないと気が済まないんじゃなかろうかと思ってしまう自分もいる。でも打ち消していた。
思う。
いくら残虐な現場シーンを描いても結局、残酷なストーリーには及ばない。
一線を超えた映画。やっぱり、残酷すぎる。
#2022-193
