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ドライブ・マイ・カーのtottsunのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.7
「ドライブ・マイ・カー」🎬7
脚本家である妻の音(霧島れいか)と幸せな日々を過ごしていた舞台俳優兼演出家の家福悠介(西島秀俊)だが、妻はある秘密を残したまま突然この世から消える。2年後、悠介はある演劇祭で演出を担当することになり、愛車のサーブで広島に向かう。口数の少ない専属ドライバーの渡利みさき(三浦透子)と時間を共有するうちに悠介は、それまで目を向けようとしなかったあることに気づかされる。
ようやく鑑賞しました。
気がつけば公開してから約半年。
気にならない訳ではなかったけど…3時間っていう長さと村上春樹原作っていうところに尻込みして観るのを躊躇ってた。
気がついたら終了してしまって、その時は配信されたら観れば良いや。って思ってたんだけど。(最近は3時間の映画を家で見ても集中力の持続が段違いだから観られるなら映画館の方がいい気がする)
予告見ただけで海外受けしそうとは思ってたけど、まさかオバマさんの気に入った作品選に選ばれるとは思わなかったし、ゴールデングローブで賞取るとは思わなかった。
そのおかげで復活上映始まったけど日比谷エリアは連日満席続きで安定のイクスピアリで鑑賞。
冒頭のシーンが村上春樹イズムが強くて「あー」ってなって、この後の3時間を心配したけど、寝ることなく終わってた。
情報入れないで見たつもりだったけど…勝手に自分の中で音のイメージを作ってしまっていたのか彼女の振る舞いや口を突いて出てくる言葉たちが正直嫌だった。
自分も夫婦2人で住んでるからこそ共感したいのにできなくてもどかしさに繋がる感じ。
セックスしながらあんなによく言葉がペラペラ出てくるな。って思ったし、どこか恐怖じみてた。(西島秀俊殺されるんじゃ無いかと思ったほど)
それがどんどん渡利みさきとのパートに移ってくると印象がだいぶ変わる。
車にこだわりがあるのは、自分の父がまさにそうだったからこういう映画見ると頭の片隅にあの頃がよぎる。
最近はもっぱら電車通勤で、実家はみさきが言ってたように車が無いと生きていけないようなところで高三で免許取ったのに気がつけば車に乗らなくなって10年以上経過していた。実際毎日車を運転してる人はこの映画をどう受け止めるのだろうか。それがお気に入りの愛車なら…
映画の中で東京千葉、広島を運転するシーンが多く登場してるんだけど赤い車って最近全然見ないなと。だからこそ家福の愛車である真っ赤な900ターボが街並みに色を差していてレトロ感だけでは無いおしゃれさがあった。予告でも印象的だったサンルーフから二人が手を出してタバコを吸うシーンはやっぱりカッコよかったし、二人の距離を映す上で大事なシーンだったと思う。
そして今回私がもうひとつ気になったのが劇中劇で登場する手話!今回は韓国手話だったけど…
先日鑑賞した「コーダ」でも触れたんだけど、あれからとっても気になってネットとか本で勉強の仕方を調べてみたんだけど、やっぱり言語を習得することと一緒だから、なかなか難しくて挫折してしまう人も多いみたい。
それを知って凹みつつ、少しでも前向きに頑張ってみたいところである。
こういう作品って万人受けするものでは無いと思うし、好みが分かれる作品だと思う。
けど、日々映画とかかわって生きてるからこそ観てよかったかなと。
私的には☆☆☆.7かな。
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