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ドライブ・マイ・カーのこどものレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.2
本作、試写会でだいぶ早い段階で鑑賞していたのだが、長いし、面白くないなと思っていた。
試写の段階で既に各国の映画祭に出典されることは分かっていたけれど、こんなにも世界的に高い評価を受ける作品になるとは、正直思っていなかった。

映像化とは、或る意味想像の余白を殺すこと
である。誰もに伝わるということは、誰もに浅く刺さっているということ。同じモティーフを扱っているのに、媒体の違いだけで感動の「絶対値」を大きくすることは難しい。

映画を観ながらずっと「小説でいいのに」と感じていた。原作がある作品に於いて、映像にすることで新たに発見できること、表出してくる意味、解釈は確かにあるし、その恩恵を大いに受けることの出来る作品は多く存在すると思っている。でも、これは違った。
俳優の芝居は自然だったし、それは俳優の気持ち面を創る独特のリハーサル方法、巷で云う「濱口メソッド」の賜物なのかもしれない。カメラアングルも、いま記憶に残っているのは殆どルーズショット。俳優の力だけに頼らないセンスある画作りの証拠だろう。

映画としては優等生なのかもしれない。ただ、なにか新しい刺激を与えてくれるわけではなかったし、ワクワクもしなかった。
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