A8

ドライブ・マイ・カーのA8のレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.5
なぜだろうか、、。
不思議と惹きつけるそんなか映画だった。

村上春樹原作ということもあり、彼の小説の独特な世界観が素晴らしく映像として表されていた。
小説を読んだ時のあのA型の知識人みたいな喋り方、棒読みなんてとんでもない。この作品を観て全てに意味があるように思えるのであった。

心のうちは自分でもわからない。いや、わからないようにしているだけなのかもしれない。“死んだあと神様の憐れみをもらうために今をまた生きよう”そんな言葉が妙に説得力を生んでいた。それはつまり、そういう世界線が滞りなく完成されていたコトを意味していた。


小説を上回る映画など無いと思っていた。
この作品を観てこの考えがくるっと変わった。
小説は映画を超えることはないし、その逆も然り。と。

なぜだろうか、3時間の映画だがもっと観ていたい。酔って言えば永遠と観ていられる。
そんな雰囲気に満ち溢れている作品であった。

うん。好きである。

無口なドライバー、訳ありだがそれを消して表に見せない演出家、闇に満ち溢れているがそれすら気づかない俳優、、、
これだけ個性的なキャラクターを自然に描けるなんて、、信じられない。

素晴らしいという言葉が溢れる。

ドライブマイカー。自分の拠り所は、、この果てしない有限な旅の居場所とは。
それぞれあるはずだ。きっと誰にでも。
A8

A8