向いている人：
①『ニュー・シネマ・パラダイス』みたいな映画が好きな人
②映画館を舞台にした映画が好きな人
ある日、福島県南相馬市にやってきた浜野あさひ（高畑充希）は、廃業直前の映画館「朝日座」にやってくる。実は彼女は、ある「密命」を受けていた。映画館主・森田（柳家喬太郎）は突然現れた彼女を相手にしないが、あさひは「茂木莉子」という無理やりな偽名を名乗って、映画館再建のために奔走する、というお話です。
普段映画を見ていると、「映画っていいね」「映画館っていいね」というテーマの作品というだけで好感度が上がっちゃうのはしょうがないですね笑
本作の魅力は、とにかく高畑充希演じる主人公・浜野あさひです。高畑充希以外の女優では、ひょっとすると「いやな女」になってしまいそうなのに、生意気なセリフをいくら発しても好感度が下がるどころか上がり続けます。
不思議な魅力を持った女優さんだなと思いますし、この役にキャスティングしたのは大正解です！
そんな主人公とバディを組む映画館主・森田を演じた柳家喬太郎さんも、ヘンクツだけど芯があってアツい、でも口は悪いという絶妙なキャラで、２人の軽妙なやり取りを見ているだけでほおが緩んできます。
タナダユキ監督の作品は初めてだったのですが、とにかく登場人物がみんなチャーミングだし、クスッと笑うところもありますが全然わざとらしくない、という「自然体な感じ」が特徴だな、と思いました。
静かで地味な映画ですが、それを感じさせないやり取りの妙とキャラ立ち、俳優さんとの完璧なマッチングがありました。
その一番いい例が、お笑い芸人「オアシズ」大久保佳代子さん演じる茉莉子先生です。もう、この役は大久保さんしかできない！ 最後のセリフとか、もう完璧です！めっちゃ笑いました。
決して「名演技！」というわけではないのですが、脚本と演出によって大久保さんの良いところがすごく引き出されていますし、大久保さんもノビノビ演じられていて、とても楽しく見れました。
さらに、大久保さんの彼氏・バオくんがとにかく可愛すぎて……これはキュンとなります。
自然体なタナダユキ監督、昔の作品も見てみようと思います。おススメがありましたら、教えてください！
