mさん

ズーム/見えない参加者のmさんのネタバレレビュー・内容・結末

ズーム/見えない参加者(2020年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

ロックダウン中にzoomという新しいツールでホラー映画を作ったエネルギーは素晴らしいと思う。

時が経った今見返すと、コロナをこの頃は本当に恐れてたんだなとホラーとは関係ない部分で気づくことがある。(映像はその当時の状況やトレンドを記録する媒体だから。)特にアメリカはこの頃感染が拡大してたから、家の中に悪霊が出たりしても、外に出ることができない理由として機能するに足るのが面白いなと思った。今だったら速攻でみんな外に飛び出るだろう。

時々回収されないホラー(首吊り死体の足だけ見えるとことか)もあって、そこはリアルだったかも、本当に気が動転してたら、いちいち相手の画面も見ないから。多分、画面に集中してる観客がようやく気づけるなら当事者は見逃す時もあると思うから。逆に屋根裏部屋で明らかに人の足を至近距離で見てるのに、人の足じゃなくて「何かがあった」くらいしか認識できてないのはちょっとだけ不自然に思った。

最近ホラーをよく見るけど
ホラーでただ自分は怖がりたいんじゃなくて
ホラーでしかできない
何かしらのメッセージを感じ取りたいんだと思う。例えばクワイエットプレイス2は
生き残った世界では利己主義者が多くなって、自分が生き残るために人を蹴落とす残酷な本質が見えたりした。あとはドントブリーズ2みたいに、今を生きることが大事みたいなことを感じ取ったりすると、ああ見てよかったなと思える。

だけどこの話はコロナ禍でzoomが流行ってるから、とりあえずそのフォーマットでホラーを作った所で止まってしまってる気がする。
行動力は100だけど、それだけの映画な気がする。内容もありきたりで、特にラストもやられっぱなしで終わるし、メッセージもひねりもそこまでない。

導入が結構長い。そしておまけの実際にやってみたというパートが特に本編に絡むわけでも、あれがさらにフィクションでという感じでもなく、単なる蛇足になってたのもショック。

ふざけてとったズームの背景映像が、後半怖さを帯びてくるのはよかったけど、背景映像がよくわからない感じで、もっとノリノリで撮ってくれた方が実際の状況との落差が出たのかもしれないと思った。
mさん

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