このレビューはネタバレを含みます
先行上映、舞台挨拶つきにて鑑賞。
電話ボックスにいる佐藤(森山未來)が顔をあげると、仕事場の窓辺から関口(東出昌大)がこちらを見下ろしてコンビニのおそば食べてる。あの画面がなんだかグッときた。
シネマライズが映ったときは、思わず「あっ」て声が出てしまった。🥲 見えてる感じ、色合いが、ほんとあの頃にそこにいた気持ちに瞬間的にワープして。
奥野瑛太、登場のエピソードもよかったな。
しかしうーん、全体的に“普通”かなぁ。
ベストセラーという原作は未読なのですが、こういうようなエピソードのさまざまが
状況を書いてあるままやってる感じで、小説の文章で表されているのであろう人物の心情を、映画という手法で伝えるときの演出の妙、みたいな、何かもうひとつ、何かひとひねり、が全体的に薄くて、もったいない感じがしてしまった。脚本は高田亮さんなのだがなぁ。
でも、結婚目前の相手も、恋人になった人も、バイト先の優しい人も、小さなマンションの一室からワンフロア全部オフィスになるまでを共にした仕事仲間も、通りすがりの人も、みんな全部、主人公佐藤にとっては同じように表面的な関係しかない、というのを表現しているのだとしたら、これでいいのかなー。
犬キャラさん(伊藤沙莉ちゃん)だけは、ほんとは通りすがりにはしたくなかった、てのは伝わってきました。
「まだあの子に未練あるの?」とか、周りの人に言わせないほうがより良かったな、と思ったけども、それを言った人があの人なら、それはありか、と、あとから分かった。
(佐藤46歳→21歳へと逆にたどっていく構成なので。で、最後にまた46歳。)
よかったのは、あと、最後の高速モンタージュ、そしてエンディングの楽曲が最高でした。
舞台挨拶で森山未來くん(大のキリンジファン)もいわく、「燃え殻さんの名前の由来ともなっている『燃え殻』が流れるエンドロール、個人的に感無量です」
監督いわく「この楽曲を使うことが、森山さんの出演の条件でした」
メイキング;大江崇允
て書いてあった気がするんだけど。