ルチル

オーストラリアのルチルのレビュー・感想・評価

オーストラリア(2008年製作の映画)
3.7
ムーランルージュのバズラーマン監督。
監督も主演のニコールキッドマンにヒュージャックマンも、そのほかキャストの方々もオーストラリア出身のまさにオーストラリアな映画。

そういえば、オーストラリアが舞台の映画って思い浮かばないし、表舞台に名前が出ることもあまりないよなーと思い、第二次世界大戦前夜頃の雰囲気を知ることができて良かったなと思いました。

とりあえずワイルドで、始終思ったのは肉食の白人達は、島国で農耕民族・魚喰いの私たち日本人とは根本的違う民族なんだとヒシヒシと感じました。
肉を食べるということは、大きな牛を育てなくてはならず、そのためには広大な土地とそれを管理する力が必要で、あんな場所では自分の身は自分で守らなきゃならないし、きっとアメリカの開拓史も同じような物だと思い、そりゃ銃だって必要だよなーと思いました。

ヒュージャックマンがワイルドなカウボーイでとても素敵でしたが、監督が彼の魅力をアピールしたいのか、鍛え抜かれた体に泡をつけて水を浴びたり、ヒゲを剃ってスーツ姿で素敵に登場したりと、アピールシーンが結構あって気になっちゃいました笑。

アボリジニをどう描くかというのがポイントだったと思いますが、ナラがとても目の綺麗な女の子みたいな可愛い子で、アボリジニのちょっと不思議な民族性を違和感なく表現していたなと思いました。
アボリジニの神話の中では、空に立つ虹色の蛇が大切にされていますが、西洋社会でヒットしていたオーバーザレインボーの歌にナラが無邪気にアボリジニとの繋がりを感じているのがとても自然でいいなと思いました。

サラが最初は貴族のご婦人だったけど、やるしかない現実を前にどんどん逞しく強いしっかりとした女性になっていくとことか良かったな。

2時間半と長かった割にさらっと観れたけど、展開やコマ割りがちょっとベタで少女漫画チックだったなと思いました。
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