リラリオ

マルメロの伝言のリラリオのレビュー・感想・評価

マルメロの伝言(2019年製作の映画)
5.0
大暴走する謎解きスピリチュアル親父とクレイジーな親父とジャムに振り回される息子の愛の物語⋯この映画、めちゃくちゃおもしろいっス!!
「大事なことを伝えておきたいの⋯」妻からの電話。しかし肝心なところで充電切れ⋯妻はそのまま帰らぬ人に。
葬儀中、CM制作の仕事をし多忙な息子の携帯は鳴りっぱなし。画家の父は「ちょっ待った!!キャメラ、プリーズ!」妻の死に顔を撮影するために葬儀の流れを突然止める。参列者のなんとも言えない顔⋯だがお構い無しに写真撮影しまくる我が道をゆく父。「父さん⋯もうやめて⋯」「邪魔すんな!」この親子関係⋯あまりよろしくない。

その晩⋯息子の妻から電話「ワインのCM撮影」と嘘をついている。「ギャラは?安っ!そんな安いならワイン1箱貰って来い!あ~甘いもの食いたい!冷蔵庫の中のチョコ?今チョコの気分じゃねぇし!マルメロのジャムが食いてぇ!帰り買って来い!手作り品でゼラニウム入ってんのな!」妻、強っ。そして突然電気が消え、停電に⋯。
父、ロウソクを持ち部屋に入ってくる。「寂しかったら俺の部屋来る?」断るが「無理すんなっ!俺の部屋の方が暖かいぞ!」親子水入らずでベッドに⋯
「今の聞いたか!」突然、父騒ぎ出す→「何を?」→「母さんの足音だ!」ベッドから飛び起き様子を見に行く→ガラガラガッシャーン!花瓶割れる→「花瓶が勝手に落ちた!」
①停電②妻の足音③妻の花瓶割れる⋯これは何かのメッセージか?
亡き妻が最後に伝えたかったこととは何ぞや⋯気になってしゃーない父は、肝心なところで充電切れ事件を息子に打ち明ける。「この謎、絶対解かないと!」

電気が復旧し割れた花瓶の破片を見て「驚いた!これは奇跡だ!ヴァリアのV、母さんの頭文字だ!」母さんからのメッセージだと大騒ぎする完全に謎解きノイローゼの父。「⋯わかったから、寝よ⋯」
謎解き父はメッセージが気になり眠れぬ夜を過ごすのか⋯と思いきや爆音いびきをかき大爆睡。そしてうるさくて眠れぬ息子は、妻から頼まれた〝 マルメロのジャム〟があるか台所漁る。

翌日。名探偵親父謎解き開始→「大変だ!」騒ぐその声の主は⋯叔母→「携帯に⋯死者から電話が!」叔母は気を失う→「母さんの霊が!さては墓からイタズラしとるな!」洗脳される父→「死者から電話って⋯」呆れる息子→その時息子の携帯が鳴る→「ソースの色が青いと言われた」死者ではなく仕事の電話→「俺、もう帰るよ!」→父の姿見当たらず→ブーン、エンジン音→酔っ払い探偵、飲酒運転でどこかに行く模様→慌てて止めに入る→「どけ!守護霊が!」→「酔っ払ってるだろ!絶対どかない!」結局息子が運転する羽目に⋯
妻に電話→予定が狂い撮影やり直し、帰り遅くなるが、ジャムはGETしたと大嘘ぶっこく→助手席で爆音いびきの父→目的地、霊能者の館に到着→料金のことで親子喧嘩勃発→結局息子払う→息子車で待機→仕事トラブルの電話。はよ帰らねば!→父車に戻ってくる→「僕、一晩眠って心身を浄化し乱れたオーラ整えます!」なかなかヤバスなこと言い出す→「自分仕事あるし帰るよ⋯」帰りのバス代と宿泊代渡す→「宿代は大丈夫!森で寝るから!」→「はぁ!?」
森にある隕石の隣で眠り見た夢を霊能者に話す。それで全地球エナジー情報域にある母さんの思いがわかる⋯らしい(笑)そしてスピリチュアルじじいは森に向かう⋯。
付き合ってらんねぇわ⋯帰ることにした息子。が、やはり父のことが気になり森に探しに行く。しかし見つからず⋯警察に捜索願いを出しに行く。
「詐欺師に騙され老人が森で迷子なんだ!」必死の訴えに「姿消して72時間以上経たないと捜索できねぇから3日ほど待って~」超適当にあしらう警官とスクラッチに夢中で全く話を聞いていねぇ警官。納得いかねぇ息子に「そんな言うなら霊能者への苦情届け書け。ほいっ!」事の経緯を全て書けと紙を渡す。「えっ!?今話した30分間なんだったの⋯メモ取ってたじゃん!」「本人の直筆じゃないと!」
苦情届けを書く息子のそばでジャムをべっとり塗りパンを食すスクラッチ警官。そのジャムとは、探し続けたマルメロのジャム⋯売ってくれと頼むが「ここはスーパーじゃねぇ!さっさと記入しろ!」断られる。やがて警官は一服しに部屋を出る。その隙にジャムをパクる息子⋯しかし見つかる。「妻が妊娠してナーバスになっていて、このジャム食いたい言うから」テンパリまくる息子、留置所に⋯
翌朝、釈放→携帯には妻と仕事場からの着歴→妻にまた嘘をつく(全て妊娠妻に負担をかけないための優しい嘘)→嘘ばれ浮気を疑われる→「実は逮捕されていた」そこは真実、だがほぼ嘘の話で何とか浮気疑惑回避→父を探しに森へ→脱ぎ散らかった父の服→全裸で顔面血だらけの父発見する→病院→「これは酷い外傷性ショック状態だ!」完全にイカれてると思われ、精神科入院を勧められるスピリチュアル父→霊とか霊能者とかバカげた真似をやめる約束で家に連れて帰ることに。

しかし⋯父は諦めなかった。
帰宅途中、車奪い逃げる→秒で事故る→車を捨て逃げる→馬車を盗み逃げる→カボチャ泥棒だ!農民にも追われる→息子、馬車に飛び乗る。共犯確定→罪を犯してまで向かった先は⋯やはり霊能者のところ(笑)

⋯ここからネタバレ⋯

やっとの思いで霊能者のところに辿り着くが⋯「忘れた⋯夢の内容忘れちゃった⋯」肝心な夢の内容を忘れてしまった。「せっかく戻ってきたのに!」地団駄を踏みキレまくり⋯館を出て行く。堪忍袋の緒が切れた息子「もう我慢の限界だ!帰るぞ!俺だって家族のこととか色んな問題抱えとんじゃ!」「はぁ?家族?子供を産めない妻だけだろ」この言葉にブチ切れる息子、父をぶん投げる。
父と喧嘩別れし1人で父宅に戻り、そして〝 死者からのTEL〟の真相を探るべく叔母の家へ。「例の携帯電話見せてくれ!」「何度も掛かってきて⋯怖くて電源切っとるわ!」電源入れる。テェロリン!電話鳴る「ほらっ!」「⋯違うよ、これ留守電の通知っス⋯」死者からのTEL⋯それは母が生前吹き込んだ留守電でした(笑)
父帰宅→息子「で?母さん何て?」→「何も⋯」ションボリ父→叔母から預かった携帯の留守電を聞かす→「マルメロが傷むからジャムにしておいてって夫に伝えておいて!」
母が最後に残したメッセージは⋯まさかのマルメロジャムでした。何度も再生する父。そしてマルメロのジャム作りをする2人。
「私が死なせた⋯」手術前に電話を掛けてきた母に酷い態度をとり「くたばれ!」と言ってしまったことを悔やみ泣きだす父。息子は父を抱きしめる。「俺、父親になるよ⋯」子供が出来たことを報告、マルメロを切り続ける2人なのでした。

めちゃくちゃ良き映画でした!!
こんな面白いとは、びっくりっス!!
スピリチュアル親父は暴走しまくり、優しき息子は父とジャムのために奔走する、愛のドタバタ劇。最高でした!
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