Netflixオリジナル、チャドウィック・ボーズマンの遺作。
ブルースの母と言われたマ・レイニーと、彼女のバンドを務めた4人の男たち。
戯曲が元なので舞台のように一場面が長く、長台詞と会話劇で進み役者たちの演技合戦が見事。
黒人たちの辛い背景がどこまでもつきまとい、物語は大変シビア。
音楽業界でも搾取され続けるという現実。
作品はほぼレコーディング中のお話の切り取りなのに、内容はズシンと重い。
マ・レイニーの傲慢に見えるほどの我が儘な理由、トランペット奏者で作曲もするレヴィーの夢を見る若さと閉塞感。
みんな仲良くしろよーと思うんですが、自分の立場を確保するためにはどこまでも主張をしなければ簡単に潰されてしまう。
白人たちの透けて見える無意識の差別意識。お金のためなら何でもするけど、敬意を払うことはなかなか…
メイキング動画も別にあったので、合わせて観るとより理解が得られます。
音楽と激しい会話劇がメインなので、劇場で観たらもっと作品の魅力や迫力があったかな。