あけび

マ・レイニーのブラックボトムのあけびのレビュー・感想・評価

3.5
見ていて胸の詰まるような閉塞感。

それは会話で展開される場面のほとんどが
地下のリハ室で、それは
当時のアフリカ系、黒人たちの生きづらさが表されていたのだと思います。

ブルースの母と呼ばれた大御所歌手
マ•レイニーの無礼極まりない態度は
最初はイラつかされますが
終盤語る言葉から理由が明かされます。

夢を抱く若きトランペット奏者
レヴィーと対比されているのが秀逸です。

紳士なイメージのチャドウィックさんと真逆な危うい青年レヴィーは全くの別人で驚きました。
言われないと気が付かないかも。

暗いリハ室に現れたドア。
終盤このドアの先にあったものが彼の行く末を暗示しているかのようでした。

正直見終えた後味は悪いですし、面白い!という作品ではありませんが
何度も思い返されるような作品でした。
あけび

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