過去２作と比較して明らかに演出や映画としての格が一段上がっており、正統派少年漫画らしい安定した世界観のなかで本格スケールのヒーローアクションを展開することに成功している。特に、これまでは舞台設定の説明に終始して退屈だった前半部が大きく改善されており、初っ端からあっちへこっちへとダイナミックに動いてくれるのでとにかく爽快。一方、終盤は良くも悪くも「いつものヒロアカ映画」としてパターン化の傾向があり、また、せっかく壮大なスケールの物語を展開しながら、主軸となるオリジン３人組と世界各国に散った仲間たちとの連携がほとんど見られないのがあまりにも勿体無い。ともあれ、これまでで最も成功し、かつ観客の期待にしっかり応えている作品であることは言うまでもない。
