ムーミンの作者トーベヤンソンの実像に迫った作品。彼女の挑戦的で奔放でいろんなものにぶつかり悩み傷付いて生きながらも己の中から生まれ出る物を描き続ける姿が眩しい。アイデンティティを模索し絵を描き続けることで父親に認められることを求め、また愛する人からの思いを求めるトーベの瑞々しさよ。
トーベの作風の理由も性の対象も、私には合点がいくものだった。トーベがパリを訪れた際にリヴゴーシュで行ったバーがまるで2丁目のビアンバーみたいだったのがいろいろと納得(このノリは世界共通なのねと)。
ムーミンは登場するけれど、ムーミン誕生秘話は一切出てこない。あくまでトーベ本人にフォーカスした作品。