バリカタ

ライフ・ウィズ・ミュージックのバリカタのレビュー・感想・評価

3.5
MVのトータルアルバムのような作品でしたね。

悩んだんです。観ようかどうしようか?シーアって人知らないし、曲も聴いたことないし・・・・。けど、楽しそうだしってことで鑑賞です。

結果、見てよかった。曲は僕好みですし、ミュージカル映画ってわけではなく(と思います)、ストーリー仕立てのミュージックビデオのアルバムみたいな作品でした。一昔前なら「トータルアルバム」って名前がしっくりくるんじゃないかなぁ?まさにライフ・ウィズ・ミュージックという題名のアルバムのような。

ライフ・ウィズ・ミュージックという題名はダブルミーニング。音楽と共にという意味と、ミュージックという子との生活を共にするってこと。それがとってもシンプルに描かれていますから、根底のテーマがストレートに伝わります。そこそこの差別風刺もあり。色鮮やかな画面、ポップで、かわいい色合いと素敵な楽曲が楽しくさせてくれます。レインボー推しはシーマの意見の表れの一つなんでしょうね。自閉症のミュージックを媒体として本作の物語は進んでいきますが、自閉症患者云々よりは、この「レインボー」ってのがとても重要なテーマなんじゃぁないかなぁ?って思います。その点は、昨年鑑賞した「僕が跳び跳ねる理由」は自閉症を知ってほしいってお話とはちょっと違うテイストです。

いろんな理由で「生きづらい(生活しにくい)」と思う人々がいるのが社会ですよね。みんな音楽を楽しみ、ステップを踏み、好きなことも嫌いなことも悩みもある、もちろん感情もある。そして誰も彼も助けを必要としてる。誰であろうとも。ほんのちょっと相手に歩み寄り、話をすれば、助けられるかもしれない、助けてもらえるかもしれない、ほんのちょっと優しくなれるかもしれない、そんな事が集まれば世界はちょっとマシになるかもしれない・・・いや、マシになろうよ・・・なんてことを思っちゃう観賞後でした。

不思議になんだかニコニコしちゃったなぁ。