ゆき

明日の食卓のゆきのレビュー・感想・評価

明日の食卓(2021年製作の映画)
4.0
かつて子供だった全ての人へ

あくまで母親と息子の話。
父親でもなく、娘でもない。母と息子という関係のうえで生まれる感情が根源にある日常の片りんを見た。
悲観を盾にする母はユウくんに完成度を求める
強さを盾にする母はユウくんに子供らしさを求める
自立心を盾にする母親はユウくんに扱いやすさを求める
それぞれの期待。
3人の母親の感情が"ユウ"と面と向かったときの重なり方が印象的。
中でも、追ってきた母親を抱きしめ返すユウくんの手元のたどたどしさと、溢れ出る愛情が忘れられない。
外からの悪意や不甲斐ない大人の男たちも名演の賜物。
人物心理の深掘りは原作の方がしやすかったように思う。

悪意がカタチを持っていて、全て取り除けるならいいのに。
×××
小学5年生の「石橋ユウ」。住まいも環境も異なる3人の息子と3人の母親たち。それぞれの日常と、崩れ行く姿を追う。
ゆき

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