やはりクレしん映画、侮れない傑作だった。
たった100分で、SF、青春、サスペンスミステリー、スポーツ、バトル、恋愛、親子愛、友情、そしていつも通りのてんこ盛りギャグを過不足なく盛り込んでなんだかんだ成立させてしまう剛腕。監督の腕もさることながら、クレしんというコンテンツの圧倒的自由度の高さ、懐の深さ、そしてそれが十分すぎるほど観客に共有されているが故の奇跡のバランスだろう。クレしんであれば前提である学泉の設定の無茶苦茶さまで全部ギャグとしてアリになってしまうのだから恐ろしい。
キャラが突っ込むところも突っ込まないところも全編ボケだらけ、しかしそのボケの中に後に生きてくる伏線が貼られていたり、感動の布石が仕込まれていたりと、本当に侮れないアナーキーで緻密な構成。
散々ふざけまくってラスト数分で観客の涙腺を絞りまくるようなとある展開、そしてそのままスパっと終わる粋さ、久しぶりにクレしんに触れたが、度肝を抜かれてしまった。
声優の交代もほとんど気にならず、目くるめく世界観に夢中になり、最後はいい年したアラサーが号泣。これは負けを認めざるを得ない。一応ネタバレ厳禁な映画だと思うので、具体的説明は省いて書いてみました。