史実に近いというのだから本当に悲劇だけれど話自体は想像にかたくない話。
史実を元にした映画は多かれど、この映画は意外性やサプライズを求めてみるものではない。
愛と仕事はどちらが勝るのか。
家族に対する愛情は、どこで冷めて、どこで憎悪に変わるのか。
愛ゆえの憎しみが深く、憎しみゆえの悲劇性が濃い。
仕事と私、どちらが大事なのよ、という全ての家庭で起きている問題を、由緒正しいおうちの一族経営にのせたら、そりゃこうなるよね、という感じ。
私は確実にパトリッツァタイプだから
もしこんなチャンスがあっても
3歩引いてついていくくらいの気持ちがちょうどいいなと改めて思い、
日本の歴史に多い殿を支える奥方の思慮深さと繊細さに思いを馳せるのでありました。