トムトム

竜とそばかすの姫のトムトムのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
2.0
やはり最近の細田監督作品との相性は悪いです。

「デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム」や「サマーウォーズ」に「美女と野獣」を足したみたいな感じです。

主人公のアバター名がまんまですし監督も言及していてオマージュやモチーフと言えば聞こえはいいですが、こんなにマンマはアリなの?

仮想空間“U”の説明で始まり説明で終わるので“U”の魅力をもう少し描写してほしかったですね。
アバターだけごろごろいて何しているか全くわからない世界でした。

それにしても個人の生体情報を読み取って隠された個性や才能を元にアバターの容姿を自動生成するなんていうルッキズムの地獄みたいなサービス絶対に嫌です。

そりゃベルとか竜みたいなアバターだったら良いけれどあんな浮いてるケツみたいなのとか白菜みたいなアバターになったら即アンイストールしますよ。

現代のSNSで起きる匿名をいいことに起きる過剰な攻撃やネットリンチ、個人情報バレのような問題が描かれますがSNSを架空のSNSで例えているので非常に飲み込みづらい。

竜が何故あれほど追われているのかもいまいち謎です。
データが壊れるほど痛めつけるって何?

全体に声優陣が辛かったです。
主人公すずを演じた中村佳穂さんはいつもはおどおどしているが歌えば無敵というキャラと合っていると言えば合っていますが、やはり日常の演技部分はツラいですね。

プロの声優を使わないことによってリアル感を出そうとしているのかはわかりませんでしたがリアルというよりは拙さが目立ってしまいました。

脚本というかセリフが非常に説明的で不自然なのがメチャメチャ気になりました。
なんかすっごい長いお気持ち表明を何回か聞かせられました。

終盤にコレまたある社会問題が提起されますが、コレが発覚して以降の全キャラクターの行動が意味不明すぎて全然ノレませんでした。

予告でも流れている「50億のアカウントから1人を探すなんて無理」という問題の解決方法の肩透かし感は半端なかったです。

なんでベルが顔出しして歌うしかないみたいな雰囲気に……
DMとか送って本人確認してもらったらいいいやん。

警察が介入するまで時間がないといって高知から高速バスに乗り出すし、しかも犯罪が起こりそうなのに女子高生1人で乗り込ませたり。

ラストもなんかよくわからない迫力的なもので何か解決した感じを出していましたが何も無策だったのが逆にびっくりしました。

「オレも闘うよ!(キリッ)」じゃねえよ、今警察呼べや。

キャラクターの掘り下げや関係性を深める描写が少ないのでラストに集まった人々の大半がなんで君らいるの?状態でした。

ライブパフォーマスは素晴らしいです。
ここは文句なしに素晴らしい。

だからこそもっとエモーショナルに盛り上がるはずだった最後の熱唱に集中させてほしかったです。
正直コレなんで歌ってんの?と思ってしまいました。

EDロールはもう少し遊び心を入れるなど何とかしてほしかったです。

「僕らのウォーゲーム」 脚本 吉田玲子
「時をかける少女」 脚本 奥寺佐渡子
「サマーウォーズ」 脚本 奥寺佐渡子
「おおかみこどもの雨と雪」脚本細田守・奥寺佐渡子
「バケモノの子」 脚本 細田守
「未来のミライ」 脚本 細田守
「竜とそばかすの姫」脚本 細田守

次は脚本家入れましょうよ。
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