Sasada

スペンサー ダイアナの決意のSasadaのレビュー・感想・評価

3.8
伝統やしきたりによって人が人として扱われなくなるという暴力性の映画。
制度の中で振る舞う個人の慮りとか忍耐とか、そういう次元で正当性が担保されてきたんだろうなと思ってキツくなる。

すり減って疲弊する表情のアップ。
スリリングで圧迫感のある劇伴の連続。
縫い付けられたカーテン、首に巻きつくネックレスが象徴する閉塞と連鎖のイメージ。
魅せ方がとてもとてもよくて、だからこそそこから解放されるカタルシスが何倍にもなる。

別にそこにいる人が悪い人なんじゃなくてただその環境に居るとどうしようもないみたいな描写がリアルで、「さっさと逃げるしかないよ、、」って心の底から思っちゃったな。

クリステンスチュワートが湛えるちょっとワイルドで型にハマらない(ハメさせない)魅力が切り取られていて、このダイアナで評価されてんのも確かに分かるという映画でした。
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