MashO

ホロコーストの罪人のMashOのレビュー・感想・評価

ホロコーストの罪人(2020年製作の映画)
4.1
ホロコースト、アウシュビッツに関する作品をこの夏三作観ましたが、残虐なシーンがほとんどない本作が一番心に染みました。ナチスドイツの脅威が迫り来るリトアニアからノルウェーに移り住んだユダヤ人を一家。父はソーセージを売り母は洋裁で生計を立て慎ましやかな生活を送っています。ボクシング選手の次男の結婚で幸せなひと時の一家でしたが、ドイツのノルウェー侵攻で生活は一変。傀儡政権から指示を受けたノルウェー政府により、男達は強制収容所へ収監。のちに男女ともにアウシュビッツ収容所に送られます。
ラストシーンは長時間の無音。その後の悲惨な事実を知っている我々に無言での訴えかけは心揺られます。
劇中ほとんどドイツ人は出て来ず、ノルウェー人の手で行われた史実だそうです。
その公式の謝罪がされたのが、70年経った最近ということから、いくら傀儡政権だったとはいえ、ノルウェーにとっても根深い問題だと思いました。
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