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ホロコーストの罪人のmityのレビュー・感想・評価

ホロコーストの罪人(2020年製作の映画)
4.0
ホロコーストに加担したノルウェーの罪を描いた本作。力を持ったナチスに侵攻され、従わざるおえなかったという側面もあるかもしれないけれど、でも、「ついにきたぞ」「やっと追い出せる」との言葉には、命令に従っているからではない本音の部分が込められているような気がしてゾッとした。

身分証に「J」を押印され、家族は引き裂かれ、資産も没収され、徐々に徐々にでも確実に追い詰められていくブラウデ家を始めとするユダヤ人たち。何が起こっているのか、これからどうなるのか、何も知らないまま無慈悲に取り上げられた身分証に、胸がきゅっとなった。

モノクロの映像と無音で描写された最期の時。悲鳴をあげる間もないほど、あっという間に苦しみの中に堕ちていったのかと思うと・・・。残された脱け殻の衣服だけが、確かに彼らが存在したことを証明しているようで、それが何とも無力に思えて、涙が込み上げてきた。

“ノルウェーにおけるユダヤ人の過酷な物語はまだ数多く存在する。スウェーデンへ亡命したユダヤ人は約1200人。これはブラウデ家の物語である。”
ホロコーストや戦争を扱った作品は幾つも観てきたけれど、人の数だけまだまだ悲劇が存在することを改めて思ったメッセージだった。


#90_2021