ひでやん

ある用務員のひでやんのレビュー・感想・評価

ある用務員(2020年製作の映画)
3.5
敵討ちの連鎖を断ち切る普通の女の子。

今作で登場する女子高生の殺し屋コンビが、『ベイビーわるきゅーれ』で主役になったという事で鑑賞。こっちを先に観ればよかった。今作の主役はタイトル通り用務員なので、ベビわるの2人は敵である。敵だと分かっているんだけど、2人が負ける所は観たくなかった…。

用務員として学校に潜入し、育ての親の娘を見守る男が8人の殺し屋集団と死闘を繰り広げるサバイバルアクション。登場人物が皆キャラが濃い。ヤクザの親分を演じた般若はクセが強すぎて台詞が聞き取りづらかった。その親分の護衛で世話役を演じた一ノ瀬ワタルの撃たれた時の「え〜?」のリアクションは笑った。

殺し屋集団も個性豊かな面々。グランドピアノで『エリーゼのために』を弾くシーンで、「俺たち一体いつ道間違っちゃったんだろうね」という台詞が切ない。で、『エリーゼのために』を弾いている時、教師とヤンキーが逃げ出す緊張感で、『イングロリアス・バスターズ』を思い出した。

低予算ではあるが、アクションシーンは迫力があって良かった。唯を守る深見にとっては1対8のバトルだが、殺し屋集団にとっては早いもん勝ちのバトル・ロワイアル。前半でストーリーを説明し、後半はアクション全開。復讐が復讐を生むラストにならなくて良かった。
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