くさば

戦場のメリークリスマス 4K 修復版のくさばのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

とっても美しいな……と思った映画でした。

ざっとあらすじだけ読んで、大島渚監督や他の俳優の方々のことや評判も知らずに観ました。

冒頭のビート武が喋ったところで好き〜!となりました。ビート武の演技や映画が好きなので。
聞き取りづらいところや最初セリアズなんで殺されなかったの…?というところもありましたが。

ヨノイ大尉を演じる坂本龍一も、軍曹のビート武とは打って変わって純正日本軍人で、圧倒的な魅力がありました。エリートなんだなというのが顔でわかる…。

セリフも印象的なものが沢山ありました。
日本人は集団で発狂した。個々の日本人を恨みたくはない、
お前が死ねば俺はもっとお前を好きになる、
あなたはやっぱり人間ですね、
等々…。

セリアズがヨノイ大尉にキスするところや、ヨノイ大尉がセリアズを気にかけているところもよかったのですが、個人的にはハラ軍曹とローレンスの友情が刺さりました。
特にラスト、隣の人がうわあ!ってなっているのが分かって余計響きました。

この映画は東洋的価値観と西洋的価値観のぶつかりを描いていますが、特に狂っていた戦時中の日本の価値観を卑下しすぎることもなく、ローレンスが理解していたのが印象的でした。西洋的価値観は合理的で論理的で、ヒックスリーの態度は日本人を下に見ていながらも誠実だと感じました。でも西洋的価値観にも問題はあって、セリアズはそのことで死に場所を求めるように生きていた。

はーーーーとにかく美しかったです…
くさば

くさば