このレビューはネタバレを含みます
高校生の時初めて観て衝撃を受けた。
やっと映画館で鑑賞できた、とてもよかった。
ヨノイのセリアズに対する感情は恋愛で片付けられる簡単なものではないし、セリアズもヨノイの気持ちを利用しヒックスリーの死刑を止めるためにキスしたわけではないと思っている。
ヨノイにとってセリアズは抑圧していた自分であり、セリアズにとってヨノイはかつての自分と重なった。
ヨノイは自己の秩序を守るため武士道に傾倒し横暴になっていくがセリアズがその死をもってヨノイを救う。
キスの直後は卒倒してしまうもののセリアズの蒔いた種はヨノイの中で実を結んだ。
だからこそ自分を救ってくれたセリアズの最期には敬礼をしたし、遺髪も神社に奉納した。愛というならば恋愛よりも敬愛に近いだろう。
と書いておきながら言語化できない複雑な感情に名前をつけようとする行為は野暮だね(思考の放棄ではないと思いたい)。
間違いなく好きな映画なんだけど何度観てもわからなくて、でもそのわからないという感情はヨノイたちから投げ込まれたものかもしれないとふと感じた。