まめまめちゃん

オートクチュールのまめまめちゃんのレビュー・感想・評価

オートクチュール(2021年製作の映画)
3.3
移民で貧困に喘ぐジャドは友人と盗みをして生計をたてていた。盗んだギターを弾くジャドの指先に、針子としての才能を見出したエステルは、ジャドを針子として育てようとする。

…なんだけど、突然エステルがジャドをディオールの工房に連れて来て針を持たせ「明日までにこの布縫う練習してきて」みたいな展開には、はあ?と私でも思うしジャドみたいにキレると思う。確か給金もなかったように思うし、そう言ったらジャドにキレられたはず。
最初に「あなたの手には才能を感じた。努力次第で誰よりも上手くなる。だからがんばりましょう」くらいみんなにも言っとけよ。
察してくださいってのが多分今の世の中一番ヤバいのよ。
そういうわけで、ジャドの貧困、母親のメンヘラ、恋愛、友人関係、エステルの親子関係や健康問題と話が膨らみすぎて、肝心のお針子業に於ける成長譚になってなくてぼんやりしてしまったと思う。エステルがショーの直前に右手を怪我してしまい、それがきっかけに事態が急展開しそうになるかと思いつつならなかったのもイタイ。
以降フランス映画の悪いところと思ってるけど、結局何も変わってないのにうまくいったみたいにフワッと終わるのホントどうにかならんか。
こういうのはアメリカが上手いと思うけれど、フランスが上手く撮ってナンボなのだ。頑張ってと言いたい。