多幸
生きる意味を追い求める二人の関係性がとても心地いい時間でした。
水彩画のようなモノクロ。
偉大なる自然と、着飾らない人たち。
苦しい生活の中でも、心を寄せあいながら生きる島民の穏やかな表情が印象的。
そして、カゴさんの言葉がとっても沁みる。
とてもわかりやすく丁寧なセリフが続くが、終盤に向けてより厳しい状況を描いていく展開。
何度でも嗜みたくなる一作でした。
問うことも学びの一つ。
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キリスト教が迫害され、一人の学者が黒山島に配流された。貧しい生活ながらもてなそうとする島民たち。海洋生物に富んだ環境で、学者は学問への欲求と野心を抱く漁師と互いの知識を交換する取引を持ちかけた。