立ち上がるときに必要なのは、誠実さと、ひとりひとりの信じ合う力なのだと思う。
パフォーマンスの究極形を見た。ステージに登るパフォーマーたちと、演奏する楽器。わたしたちが耳にするのは、すべて、彼らから発せられた声、彼らが紡ぎ出した音。揺さぶられる、という言葉の意味を感じた日を、ひとは忘れないだろう。
照明の演出のスタイリッシュさと、演じる全員の伸びやかな歌と踊り、演奏。時に鋭い切り口で問いかけ、時に皆で抱き合う喜びを知ろうと微笑んでくれるメッセージの多様性。ステージの全てのパーツに力強い意志と優しさを吹き込んだかのようだった。
そう、Every day is a miracleなのだった。そしてそう、いつか、わたしたちは、きっといつかやりとげられる…。泣きそうになりながら、わたしはあのOne Fine Dayを心のオルゴールにしようと決めた。
ステージを降りると、白いもこもこに真っ赤なマフラーのおじいちゃんになるデイビッド・バーンがなんとも愛おしい。彼の真面目で誠実な、ユーモアもある人柄がすぐわかってしまう。ありがとう。