ろく

SNS-少女たちの10日間-のろくのレビュー・感想・評価

SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)
3.5
観ていて「ありえない」と思いながらもどこかで「やはりな」とも思ったのが感想。それはチェコだからじゃなくて世の中に多くいる男性を見てきた僕の経験でもある。

だって女性が性的なことをにおわせるとこれ幸いとそこに群がる男性が多くいるじゃないか。それはmixiでもフェイスブックでもツイッターでも、そしてこのfilmarksでも見てきた。なんでこの人こんなに粘着するんだと思いそのたびにいやなもの見てしまったなぁと思ってしまう。

そしてそこから幼女にアプローチをかけるのはひょっとして同じなんじゃないかな。実際にこの映画でも会話を仕掛けた男性で幼女(12歳以下)を対象にしていたのは微々たるもの。つまりある程度ネットだから「箍が外れる」。当然それは相当問題な訳なんだけどその一方で「ネットだから」という言葉からその手の人は動くのかなと思う。

まるでネットを現世界とは別のルールでとらえているかのように。

別の世界だから何をしてもいい。それは麻薬でもあるだろう。「いまここ」の世界でできないことをできるのがネットだと思い(それは多きなる勘違いだが)自分を醜悪にさらけ出す。うーん、気持ち悪いよ、正直いって。でもお前もそこにいつ入るかわからないんだ、そうまで感じてしまう。語弊を込で言ってしまえば「僕はこんなこと絶対やらない」と言っている人のが怖い。それは想像力がなさすぎるのではとまで思ってしまう。ネットは別世界ではない。現実と地続きなんだ。

じゃあ子供を守るためにはどうすればいいのか。大事なのは教育だと思う。犯罪者はなくせない(当然厳罰化はありだけどそれでなくなるというのはお花畑すぎる)。この手の映画は劇薬だけどそれでも大切であると思う。

さらに運営側の規制も必要であろう。その手の人が「いられる」SNSはどうなんだろうと思ってしまう。ここはプライバシーと表裏一体だけどある程度の規制は必要である(それがエスカレートして政治なんかでも規制がかかると困るのでこれもまた難しいが)。

と書いていて知恵熱が出てしまう映画。でも少しこれを見て「どうすればいいんだろう」と思うならそれはそれでよいのだろう。結論はないけどちょっとはいい方向に行くはず……だと思う。
ろく

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