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14歳の栞のtakaのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.0
人生で一番多感な中学二年生という世代に徹底的にこだわり、丁寧に描き出した良質なドキュメンタリー映画でした。しかも一つのクラス35人すべてに焦点をあてている製作方針に頭がさがる思いです。何よりも子どもたちの"今"が生き生きと描き出されています。安易な取材では子どもたちは決してここまで心を開かなかったはずです。子どもたちだけでなく、親や先生たちの協力を引き出す数しれない努力があったことを考えると監督以下のスタッフの真摯な態度がうかがえます。悩み、苦しみ、笑い、泣き、新しい自分をつくるこの時期をルソーは「第二の誕生」と呼んだが、35人のひとり一人の葛藤がとても愛おしく感じられました。また、様々な個性がひしめき合う学校(クラス)の持つ可能性にも改めて考えさせられました。
もっと多くの人に見てもらいたい素晴らしい青春映画です。
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