鹿苑寺と慈照寺

ひらいての鹿苑寺と慈照寺のレビュー・感想・評価

ひらいて(2021年製作の映画)
3.9
掴みどころがなく情緒不安定であり、自分の利益のために打算的にもなれる主人公・木村愛(山田杏奈)。

そんな複雑な心情を持つ登場人物でありながらも、元来の目の奥の闇と怪しげな雰囲気を纏わせている山田杏奈さんが体現していて素晴らしかった。

物語自体はそんなに起伏のあるものではないけれど、とにかく山田杏奈さんの目だけの演技、気だるい表情、何かを諦めきったような態度で魅せてくれるから最高だった。他の人にはなかなか真似できないと思う。

自己愛が強すぎるが故に、自分に振り向いてくれないたとえのことが理解できないし、他者への愛が伝わらない。何とかたとえを自分のものにしようと打算的な行動に出た結果、最後に主人公がたどり着いた答えがなかなか良かった。
よく言われる「相手に受け入れてもらうにはまずは自分から心を開く」ということを体現しているような結末。

まだ10代なのにどうして木村愛はあんなにも他者に対して閉じた思考性を持つようになったのかがすごく気になった。家庭環境が複雑ということでもないし、単純に思春期だからというだけでは説明がつかないような気がする。

本作のような役者の演技だけで観ていられる作品はやっぱり好きだなあと改めて感じた。

メモ
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彼女の弁当のプチトマトをごみ箱にロングシュート

山田杏奈って何を考えてるかわからない怪しげな色気がある

桜の木の展示品をバックに写真撮影する愛とたとえに対して先生「婚姻届みたいだな」笑

寝てる美雪の指紋を使ってスマホの認証解除する愛

愛「私、美雪とヤッたよ、2回も。すっごい喜んでたよ」

たとえ「俺はお前みたいな奴が嫌いだよ」

たとえ「嬉しいなら態度で見せろよ。貧しい笑顔だね」

美雪の抜けた感じは可愛いな。カイロは買いすぎやけど。笑

愛の目覚ましの音楽。なぜかゲームのウォーニング音

美雪は愛が反省していないことを見破る。「目が暗いままだから」
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