くまねこ

モンタナの目撃者のくまねこのレビュー・感想・評価

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)
3.4
「モンタナの目撃者」
テイラー・シェリダン監督、アンジェリーナ・ジョリー主演作をT・ジョイ品川で鑑賞。

一見、森林火災系ディザスター映画だと思ってたが、女性と少年のバディ映画だった。

目の前で暗殺者達に父親を殺され、追われる少年コナー、過去の贖罪に囚われた森林消防隊員ハンナが偶然に出会い、2人で森林火災から逃げながら徐々に絆を深めていく。

「主演がアンジーならきっと最後には少年コナーを養子に…」と安易に考えていたが、対等な関係性を持とうとするハンナの姿勢は本当にクールで、現代的であり、新鮮なキャラクター描写だった。

2人の暗殺者(ニコラス・ホルト、エイダン・ギレン)のエゲツない仕事っぷりやさりげない人物描写も素晴らしい。(冒頭のガス漏れ点検業務は驚いた…)

保安官の妻で妊婦アリソン(メディナ・センゴア)の返り討ちアクション(!)も見逃せない。

作品を構成する各要素は素晴らしいのだが、全体的な味わいはあっさり味で、少し物足りなさを感じる。テイラー・シェリダン監督の持ち味である、乾いた西部劇テイストをもっと味わいたかったのが本音。良質な作品なのに個人的には物足りなかった。

会計士である少年の父親が掴んでいた組織の秘密がもっと明確に描かれ、ストーリーに絡んでくる展開ならばもっとスリリングになったのかも…。
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