くまねこ

メメントのくまねこのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
3.6
「メメント」(2001年)クリストファー・ノーラン監督による長編映画2作目をAmazonプライムで5年半ぶりに視聴。

メメントとは、ラテン語の”思い出せ”という意味。

強盗犯により10分間しか記憶を保てなくなった前向性健忘による記憶障害の男、レナードが妻を殺した真犯人を追う姿を描いたクライムサスペンス。

ポラロイド写真を撮ってメモを書き、重要な情報を身体中にタトゥーで刻んで記憶を繋ぎ止めるという大胆な設定が面白い。
もっと言ってしまえば、ストーリーを最後から最初に遡りながら見せる編集により、主人公と同じように、観客にも記憶障害の視点で映画を見せる作品構造とその発想が興味深い。

冒頭の銃弾逆再生映像は後年の「TENETテネット」に繋がると思うと味わいがある。
こういうの好きなんだろうね

終盤、主人公レナードの「記憶は自分の確認のためなんだ、みんなそうだ」という台詞は印象に残る。

エンディング曲はDavid Bowieの”Something in the Air”(1999)か!ノーラン監督のこだわりの選曲が窺い知れる(American Psychoという映画と同一なのも面白いね)

時系列順に編集したオーソドックスなストーリー展開のバージョンでも見てみたい。(多分ふつーの映画だろうね)

以下、小さなネタバレあり🐜🐜🐜

妻殺しの真犯人は実は主人公レナードだったという驚きのロジックを説明できるほど詳細には理解できてないよなぁ…。悪く言ってしまえば、時系列を後ろから見せる演出で映像や理屈(ロジック)をこねくり回してるとも言えるし…。
オーソドックスなストーリー展開で、そのオチを映像化する方法論も今なら実現できると思うが、当時はノーラン監督はこれが新しいと考えてたのかもしれないね。2001年にリアルタイムで観てたら興奮できたかもしれない。
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